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【自動化】Power Automate for Desktopでどんなことができるの?

Power Automate for Desktopは便利だとよく聞きますが、あまり想像がつきません。

今回は、Power Automate for Desktop(以下PAD) が気になっているけどまだ触ったことがない人へ、どんなことが出来るのかを解説します。

PADは、2021年にMicrosoftからリリースされた、比較的新しいRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールです。

PADの名前は聞いたことがあるけれども、具体的に何ができるのか想像がつかない方も結構多いのではないでしょうか?

本記事では、PADとは何か、そしてどのようなことができるのかをまとめています。
さらに、この記事を書いているぼく自身が日常業務でPADをどのように活用しているかも触れているので、読者の方はPADを使う場面をより想像しやすくなるでしょう。
この記事をきっかけにして、「PADを触ってみようかな」と思っていただけるとうれしいです。

Power Automate for Desktop(PAD)とは?

PADとは、パソコンのデスクトップ画面で日々行なっている作業を自動化できるツールです。
Windows10以降のOSであれば無料で使えます

PADは一般的にRPAと呼ばれる自動化ツールの一種です。
以前は業務用の有料ツールしかRPAの選択肢が無かったのですが、MicrosoftがPADをリリースしてから、個人でも手軽にRPAを使える環境が揃いました。

「RPAを導入したいけど、予算の関係上なかなか承認をもらえない」という人も少なくないでしょう。
PADを職場のRPAツールに選定すれば、予算の承認を得る必要はありません。
上司にRPAツールを使うメリットを伝え、導入の許可をもらうだけで自動化の環境を構築できます。
やはり無料でツールを導入できるというメリットはとても大きいです。

ちなみに、PADを使ったプログラムフローの組み立て方は、コードを直接書くのではなく、ブロックを選択する方法です。
言い換えると、プログラミングの経験が無くても直感的に動きを組み立てることは可能です。

ここで誤解がないよう補足しておきますが、初心者レベル程度のプログラミング知識があったほうがツールの完成度が高まるのは間違いありません。
PADを試してみるだけなら、PADの入門者レベルの学習本を使い、操作してみるだけで十分です。

当ブログでは、PAD入門者へのおすすめ本を紹介した記事も掲載しているので、参考までにリンクを入れておきます。

≫ Power Automate for Desktopを学べるおすすめ書籍

PADでどんなことができるの?

PADの特徴は、デスクトップで行うほとんどの操作を自動化できることです。
更に、複数のアプリをまたいで自動化できるというのが大きな利点です。

例えば、Excelだけの閉じられた環境だけであれば、VBAだけでも十分に自動化が可能です。
VBAのスキルを上げれば、ExcelだけでなくAccessや Outlookなど他のOfficeアプリ、そしてWEBとの連携も可能です。
そして、今ではChat GPTを活用すればVBAを使ったアプリ間の連携も比較的行いやすいです。

しかし、実務ではVBAで操作できないツールとの連携が必要になることもあります。
また、WEBとExcelの連携ですが、VBAを使う方法は難易度高めで、むしろPADを使った方が手っとり早いです。

PADを実務で使った具体的事例

ここからは、実際にぼくがPADをどんな場面で使っているかを紹介します。

実例1-シンプルなログイン作業

PADは複雑な作業だけでなく、シンプルな作業でも十分な威力を発揮します。
一つ目の実例として、アプリを起動し、ユーザー名とパスワードを入れるだけの作業を自動化しています。
単純な作業だからこそ、本来の目的までに辿り着くまでの手作業がわずらわしく感じてしまいます。

特に、アプリごとにユーザー名とパスワードが異なる場合、パスワードを記録しているファイルを別に開いたりしないといけません。
ログインだけのために、別にリストを用意する時間も取られるということです。
アプリごとにログインのフローを作っておけば、ログイン情報などの前準備が不要になるので、そのまま時間短縮につながります。

実例2-日々のアプリ実行とデータ出力

2つ目の実例として、VBAでは扱えないアプリのルーティン業務もPADに実行してもらっています。
実際に使っているのは、体温を測定する検温機からのデータ出力です。
毎日専用アプリを起動してExcelに出力するというシンプルな作業ですが、毎日数分間の時間を奪われます。

PADを使った自動化により、最初に対象期間の指定をするだけで、一連の作業が完了するようになりました。
毎日の数分間の削減を一年間に換算すると、もちろん莫大な時間になります。
空いた時間を他のことに活かせるということです。

実例3-定期的に発生するルーティンワークを実行

3つめの実例として、基幹システムの月次更新作業をPADで自動化したことです。

もともと更新作業が複雑で、手順を間違えると正しく更新されないときもありました。
一度の更新作業で4~5分の時間がかかっていたので、失敗した場合はさらに4~5分のやり直し作業が待っている、という状況です。
本来なら、基幹システムの改修を済ませれば問題は解決されるのですが、予算の関係上改修の許可を得ることができず、使いづらい状況のままシステムを使い続けてきました。

しかし、PADを使って一連の更新作業を自動化したところ、やり直し作業を行うことがなくなったのです。
PADを活用することで、システムによって人がムダな作業を強いられてしまう本末転倒な状況から脱することができました。

まとめ

今回は、PADでどんなことができるのかを、実例を交えながら解説しました。

VBAや他のプログラム言語だけでなく、PADも自動化ツールとして活用していくと良いでしょう。
リリースされたばかりのまだまだ新しいツールですが、YouTube動画や解説書も出回っているようですので、うまく使うと習得しやすいです。

本記事の途中でも触れておきましたが、PAD学習のおすすめ本を当ブログの別記事でも紹介しています。
参考までにこちらにリンクを入れておきます。

https://sys-daddy.com/recommended_books_of_pad/