暗号資産やNFTなどで、ここ最近話題になってきたブロックチェーンですが、そのデータは誰でもダウンロードできます。
また、信頼性や透明性の高さから、うまくデータを活用できればいろいろな分野で使えます。
今回はEtherSacnにあるブロックチェーンデータをExcelで読み解く手順をまとめました。
EtherScanは、イーサリアムメインネットのブロックチェーンデータを確認できるサイトです。
イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)の次に取引量の多い暗号通貨で、最近はOpenSeaのNFTなどでよく使われています。
ブロックチェーンという言葉は敷居を高くさせていますが、Excelを使って一つ一つの取引を明らかにしていけば、データの解読は難しくありません。
本記事では、EtherScanを使ってNFT取引に必要なデータを抜き出すという場面設定で手順をまとめています。
あくまでもNFT取引を事例の一つとしてまとめていますので、ここで書いていることが全てはないということはご了承ください。
とはいえ、「EtherScanの使い方」について検索してみたところ、ほとんどのサイトはデータのダウンロードまでしか解説されてないようですので、他であまり見かけない有益な情報を提供できるかと思います。
「NFTの税金計算をどうやって乗り越えようか」と悩んでいる人にも、きっとお役に立てる内容に仕上がっているでしょう。
手順1-EtherScanからデータを入手する
では、さっそくEtherScanからデータを入手することから始めましょう。
まずはEtherScanのトップページを開きます。
検索窓に自分のウォレットアドレスを入力し、検索ボタンをクリックします。
NFTを触っている人は、きっとメタマスクを使っているのではないでしょうか。
メタマスクの設定画面でコピーできる44文字のウォレットアドレスをそのまま貼り付けましょう。
指定したウォレットアドレスのデータが表示されました。
検索後の画面の上半分は現在の残高、下半分は取引履歴が表示されています。
「Transaction」が選択されているのを確認し、一番下までスクロールします。
「CSV Export」をクリックします。
ダウンロード画面に映りますので、必要な項目を入力して「Download」ボタンをクリックします。
ダウンロードされたcsvファイルをExcelで開くと、こんな感じに並んだデータが現れます。
このままでは解読するのが大変なので、見やすく加工していきます。
手順2-必要な項目を選定する
EtherScanのからダウンロードしたデータには16項目ありますが、収支計算で使うのは8項目だけです。
項目を下にまとめてありますので、不要な列はグループ化などを使って非表示にしておきましょう。
項目名 | 中身 | 表示 |
---|---|---|
Txhash | × | |
Blockno | × | |
UnixTampstamp | × | |
DateTime | 時間 | 〇 |
From | 送金元アドレス | 〇 |
To | 送金先アドレス | 〇 |
ContractAddress | × | |
Value IN(ETH) | 入金量 | 〇 |
Value OUT(ETH) | 出金量 | 〇 |
CurrentValue | × | |
TxnFee(ETH) | ガス代 | 〇 |
TxnFee(USD) | × | |
Historical $Price/ETH | × | |
Status | × | |
ErrCode | エラーコード | 〇 |
Method | ETHの移動の種類 | 〇 |
項目を絞るだけでもだいぶスッキリしました。
さらに見やすくするためにテーブル化も済ませておきましょう。
データを絞り込む時にスライサーを使うととても便利です。
表の一番後ろの項目「Method」だけは前もってスライサーを作っておきましょう。
「Method」には取引の種類が書かれているので、データを解析するときは必ず使います。
ここでは表を見やすくするために44文字のウォレットアドレスを8文字まで短縮していますが、あくまでもブログ記事を見やすくするためにデータを変えています。
手順3-エラーを排除する
正常に行われた取引はErrCodeが空白になっています。
ErrCodeに何か書かれた取引は計算から除外しないといけません。
エラー行のセルには赤系の色をつけておくのもおすすめです。
手順4-セルに目印をつける
さらに解読しやすくするために、メタマスクアドレスとETHの動きがあるセルには色付けしておきましょう。
実際に色付けしてみると、下のような法則があることが分かります。
- Toにメタマスク→Value_IN
- Fromにメタマスク→Value_OUT
- FromとToの両方にメタマスク→Value_INとValue_OUTの両方ともゼロ
手順5-明細列を追加する
表の仕上げに「明細」列を追加しましょう。
MethodとETHの動きとにらめっこしていけば、どんな取引をしたか思い出せるはずです。
思い出した取引をそのまま書いていきましょう。
重要-Method項目の読み取り方
EtherScanの履歴表を完成させるための大切な鍵となるのは、Methodの中身を読み取れるかです。
項目に不足があるかもしれませんが、ぼくが実際に解読した項目を下に挙げておきますので、きっと何かのヒントになるでしょう。
- 取引所とメタマスクの入出金 → Transfer
- NFTのミントにかかったガス代の支払い → Transfer
- ポリゴンチェーンでWETHに両替 → Deposit Ether For
- NFTの購入 → Atomic Match_ と Fulfill Basic Order
- ミントサイトでNFTをミント → Mint
まとめ
今回はブロックチェーンのデータをExcelで読み解く方法について解説しました。
ブロックチェーンは将来もっと発展していきますし、データを使った他のテクノロジーもこれから現れてきます。
日頃からデータベースをより意識してExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算アプリを使うことは、これからの新しいテクノロジーに乗り遅れないための大事な基礎になる、と言ってもいいくらいでしょう。
最後まで読んでくれた方にとって、日頃の表計算アプリの使い方を見直すきっかけや、NFTの税金計算に悩む人のヒントになればうれしいです。