Excelのパワークエリは、膨大なデータを効率よく整理・分析するための強力なツールです。
その中でも「ステップ」と呼ばれる機能は、データ変換の流れを順を追って、かつ見やすく追跡できる仕組みです。
本記事では、パワークエリのステップの仕組みと、編集手順を詳しく解説します。
ステップの操作に慣れることでエラーへの対応やクエリの再利用が容易になり、データ処理の効率がワンランクアップするでしょう。
もくじ
パワークエリのステップとは?
パワークエリのステップとは、データ加工の流れを順番に表したものです。
例えば、列を削除する、値を置き換える、データ型を変更する、といった操作がステップとして記録されます。
これらはクエリエディターの右側に配置されています。

ステップは単なる履歴だけでなく、編集や削除が可能な機能としても使用可能です。
ステップを編集する手順
では、ステップを編集する2つの方法(入れ替えと削除)を解説していきます。
ステップの順番を入れ替える
ステップの入替えはとてもシンプルで、動かしたいステップをマウスで操作するだけです。

右クリックメニューで入れ替えることも可能です。

指定したステップを削除する
削除したいステップにマウスカーソルを当てると、「×」印が表示されます。

クリックすることでステップ削除が実行されます。
途中でステップを挿入する
パワークエリでは、最終ステップに新しいステップを追加するだけでなく、途中で新しいステップを挿入することも可能です。
挿入する方法はとてもかんたんで、直前のステップを選択した状態で操作を行うだけです。

通常のExcelであれば、「元に戻す」を実行した後に修正した場合、過去の処理内容を復元することができません。

しかし、パワークエリは元に戻す前のステップ処理も記録に残ります。

通常のExcelの機能はブックの複製だけが復元の唯一の手段ですが、パワークエリのステップ処理についてはブックの複製は不要です。
ステップの途中で挿入する主なメリットは、既存のデータ処理フローを柔軟に変更したり、特定のタイミングでの追加処理を行えることです。
しかし、この操作を行う際には、前後の流れをしっかりと把握し、後続のステップに影響が出ないか事前に確認することが重要です。
操作前には十分な確認を行い、スムーズなデータ処理を目指しましょう。
ステップの編集が必要になる場面
パワークエリを使ってデータ加工を進めるとき、余計なステップが生成されないよう、ムダな操作を完全に排除するのが理想です。
しかし、どんなにムダがないよう操作を進めても、ステップが予想以上に積み重なってしまう場合もあります。
一度作ったパワークエリツールを他に転用するためにも、余計なステップを削除したり、順番を入れ替えてシンプルな流れにしておくことが重要です。
例えば、不要列を削除するステップを2つ作ってしまった場合は、前後の流れを確認した後に一つにまとめましょう。

数式バーを直接編集できれば、手早く複数のステップをまとめることが可能です。
ステップの編集によるエラー
ここからは、ステップ編集によるエラーについて紹介します。
下の画像は、「エラーを0に変換」を「表章項目別でピボット処理」の前に移した直後、「年齢」列が見つからないエラーが発生した場面です。

ピボット処理を実行する前は「年齢」列が存在しないのためで、データの流れを把握せずにステップを入れ替えると、このようなことが起こります。
ステップ編集によるエラー発生への対応
変更前の状態に戻す
エラーを復旧するシンプルな方法は、ステップを変更前の状態に戻すだけです。
いったんエラーが発生している状態からは復旧しますが、もう一度データの流れを把握することが大事です。
詳細エディターのテキストをバックアップしておく
数式バーを編集することでエラーが発生した場合、うまく元に戻せないかもしれません。
そのようなことを起こさないための有効な方法は、詳細エディターのバックアップです。
詳細エディターには、全てのステップがテキストで記載されています。

編集前にそのままテキストファイルに保存しておくことで、編集ミスが発生した場合でも元の状態に戻せます。
まとめ
パワークエリのステップを理解し、自在に編集できるようになると、データ変換の効率が大幅に向上します。
エラーへの対処もスムーズになり、複雑なデータ処理も手軽に実現可能です。
この記事で学んだ内容を活用して、パワークエリの操作スキルをさらに磨いていきましょう!