「Excelのパワークエリをマスターしたいけど、画面が複雑で何から始めればいいのかわからない」
「パワークエリのメニューが多すぎて迷う」
パワークエリを操れるようになると、従来のExcel作業では対応していなかったデータ加工や整形も可能です。
しかし、パワークエリの操作画面は、Excelと比べ見た目が大きく違うのでなかなか手をつけづらいのではないでしょうか?
- パワークエリを使ってみたいけどなかなか手が伸びない
- 過去に挑戦したけど挫折してしまった
こんな方に向けて、本記事ではパワークエリエディターでできることを簡単にご紹介します。
もくじ
本記事では詳しい操作手順ではなく、「パワークエリでどのようなデータ加工が可能か」といったような概要をまとめました。
きっと斜め読みでもパワークエリの全体像がつかめるでしょう。
パワークエリを習得すると複雑な数式の組み立てや大量のコピペ作業から解放されるので、ぜひこの機会に挑戦してみましょう!
エディターの画面構成
パワーエディターの操作画面は下のように構成されています。

主によく使うのは4つの部分で、名称・使い方は以下の通りです。
1.リボンメニュー | さまざまなメニューアイコンが配置 |
2.クエリ一覧 | 作業ビューに表示するクエリを選択可能 |
3.作業ビュー | 加工データや数式が表示 |
4.設定 | ステップ(編集履歴)の確認や修正が可能 |
「作業ビュー」内の数式バーを展開して直接手入力することができます。

実際に数式バーに書かれているM言語を見て「こんなに複雑な数式を作らないといけないの?」と感じる人もいるとは思いますが、自分で手書きする必要はありません。
まずは、「1.リボンメニュー」からどんな操作を行えるかを知れば十分です。
パワークエリの基礎スキルであるリボン操作を身に付けたあと、少しずつ数式エディターに慣れましょう。
「4.設定」を使ったステップ順の入れ替えや、不要ステップの削除もよく行う操作です。
各ステップの詳しい動作を確認したい場合は、数式バーを確認するとよいでしょう。

リボンでよく使うメニュー
パワークエリエディタのリボンメニューには、データの加工や整形を効率化するための便利な機能が豊富に揃っています。
ここからは、4つのタブの中から使用頻度が高めの機能を選んで解説します。
これらの機能を先に学習することで、パワークエリ学習を効率よく進められるでしょう。
ホームタブ
「ホーム」タブには、テーブル全体の構成を調整するためのメニューが揃っています。

タブの左半分は、以下のような基本的な操作メニューが多数配置されています。
- 列の選択や削除
- 行の保持や削除
- 並べ替え

これらの操作は通常のExcel操作(右クリックメニューやDELETEキー)でも可能で、パワークエリ未経験の方にとっても操作しやすいはずです。
「4.詳細エディター」は上級者向けの機能です。
パワークエリの全ステップをテキスト形式で確認できて、直接編集することも可能です。

詳細エディタについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ホームタブの右半分には、データの加工や集計を効率化するためのメニューがあります。
- データを集計する時に使う「グループ化」メニュー
- 特定のデータを指定した値に書き換える「値の変換」メニュー
- 複数のクエリを1つにまとめる「結合」メニュー

これらのメニューは、通常のExcelで難易度が高いデータ加工を実現できるので、ぜひ覚えておきたい内容です。
以上のような「ホーム」タブを使いこなせば、パワークエリの基本操作がしっかりと身につきます。
ホームタブの学習で得たスキルは、「変換」や「列の追加」など、他のタブで提供される高度な機能を学習するときの土台となるでしょう。
変換タブ
「変換」タブにはパワークエリ独自の機能とも言える、データ加工や整形を行う機能が詰め込まれています。

特に使用頻度が高いのは、「7.テーブル」グループと「8.任意の列」グループです。

「7.テーブル」グループでは、表の構成を変える機能(グループ化や行列入れ替えなど)が揃っています。
「8.任意の列」では、値やデータ型の変換、ピボット処理やピボット解除といったデータ整形に欠かせない操作が揃っています。
幅広いデータ加工に対応できるので、覚えておくと非常に便利です。
これらの操作は、作業ビューで右クリックすることでも実行可能です。

そのため、リボンメニューとうまく使い分けることで、作業効率をさらに高めることができます。
列の追加タブ
「列の追加」タブでは、元データを基に新しい列を作成できます。

なかでも覚えておきたいのは以下の2つです。
- 数式を使って新しい列を作る「9.カスタム列」
- ExcelのIF関数に相当する「10.条件付き列」

「テキストから」「数値から」「日付から」については、以下のように考えると分かりやすいでしょう。
- テキストから・・・始め、終わり、中間などを指定して抜き出す
- 数値から・・・四則演算、四捨五入、指数計算
- 日付から・・・年、月、日を抜き出す

年月日や数値、文字列の抜き出しは、Excel以外のプログラミング言語やデータベースシステムでもよく使われるので、他のITツールを習得したい人にとって必須テクニックだと言えます。
表示タブ
「表示」タブは、エディター内でのデータ表示をカスタマイズするためのタブです。

下の画像はプレビューの項目(列の品質、列の分布)にチェックを入れた状態です。

データの整合性確認を行いたいときにきっと役立つはずです。
リボンを使いこなすためのコツ:ひとつ前に戻す方法を覚える
パワークエリエディタでデータを加工していると、「やり直したい」「間違えた!」という場面が必ず出てきます。
そんなときに有効なのがステップを削除する操作です。
ステップの削除はワンクリックで完了するかんたんな方法なので、実際の事例を交えて手順を解説していきます。
例えば「行列の入れ替え」を行ってデータを整列したとします。

処理の結果、想定しないデータの並びが表示されてしまいました。

右ペインの「適用されるステップ」で不要なステップを選択し、「×印」をクリックすると選んだステップが削除されて前に戻ります。

もちろん、ショートカットキー「Ctrl + Z」も使えます。
ここで注意しておきたいのは、途中のステップを削除した場合です。
前後のステップが途切れてしまうため、エラーになってしまうこともあります。
ステップの削除は慎重に行いましょう。
まとめ
パワークエリエディタの操作に慣れることで、データの取り込みから加工、統合、整形までを効率的に行えるようになります。
今回は、エディタの画面構成やよく使うリボンメニューの使い方を解説しました。
本記事で解説した知識を活用すれば、莫大な時間を掛けて行っていた手作業によるデータ処理から脱出できるでしょう。
パワークエリは初心者にとって最初は難しく感じるかもしれませんが、一つひとつの操作に慣れることで、その便利さを実感できるはずです。データ分析や業務効率化をさらに進めるために、今回学んだ内容を実際の業務で積極的に活用してみてください。
パワークエリの可能性は無限大です。
ぜひ繰り返し操作を練習し、自分のスキルとして身につけていきましょう。
当ブログでは、パワークエリ以外のExcelを使ったデータ加工テクニックもいろいろ解説していますので、よかったらのぞいてみてください。