Excelテーブルのデータを効率よく検索する方法についてまとめた記事です。
マウス操作だけで完結するシンプルな方法から、関数などを使ったやや高度なテクニックまで、幅広い内容を紹介します。
もくじ
本記事では、Excelテーブルを使った検索方法のシンプルな解説だけでなく、それぞれの方法がどんな場面に向いているかについても触れています。
加えて、今回は操作画面の画像を豊富に使った解説ではなく、どちらかと言えば文章による解説が多めになってしまいました。
理由は、検索機能の一般的な使い方ではなく、より本質的な内容の深堀りに重点を置いたためです。
画面操作の解説を求める方には少し物足りないかもしれませんが、Excelで効率よくデータを検索したい方には役立つ内容になっているでしょう。
Excelテーブルで効率よく検索するテクニック5選
Excelのテーブルを効率よく検索するためのテクニックは以下の5つです。
- フィルターでデータを絞込む
- 検索ボックスでセル位置を検索
- スライサーで素早くフィルタリング
- 条件付き書式で見やすく
- 検索関数でテーブルデータを参照
状況に合わせて最善の方法を選ぶためには、それぞれの使い方について整理しておくことが重要です。
個々の機能の解説では「おすすめシーン」もあわせてまとめました。
検索方法1-フィルター機能で絞り込み検索を効率化
Excelでデータを検索する方法の中で、フィルター機能はわりと多くの人に浸透している方法ではないでしょうか?
フィルター機能を使えば、大量のデータの中から特定の条件に合う情報を簡単に絞り込むことができます。
さらに、入力されている書式(データ型)によってフィルター条件が変わるのも特徴です。
テキストフィルター(文字列)は完全一致や部分一致での検索が可能です。
数値フィルターは範囲を柔軟に設定できます。
日付フィルターでは期間を設定できます。
通常のExcel表にもフィルター機能は備わっていますが、テーブルではフィルターが自動的に設定されるため、わざわざフィルターをかけ直す手間がかかりません。
普段からフィルター機能を活用している方には、特にこの自動フィルター付きのExcelテーブル機能が便利です。
ただし、フィルター以外にもExcelにはさまざまな検索方法があるため、他の機能も併せて活用することで、さらに幅広いデータ検索や分析が可能になります。
- 各担当者のデータのみを表示して進捗を確認したい
- 月別や四半期別にデータを抽出して、特定の期間を分析したい
- 空白やエラーがあるセルを簡単に見つけ、データを整理したい
検索方法2-検索ボックスで素早くデータを見つける
Excelの検索ボックスは、テーブル全体から瞬時にデータを探し出せる便利な機能です。
フィルター機能では対応しきれない複雑な検索ワードや部分一致検索を行う場合に特に役立ちます。
また、検索ボックスはExcel以外のOfficeアプリやインターネットブラウザでもよく使われる機能です。
Excel以外のさまざまなデジタルスキルを身につけたい人は、検索ボックスを表示するショートカットキー(Ctrl + F)を無意識でも操作できるようになりましょう。
さらに、検索ボックスから実行できる「置換機能」を活用すれば、複数の箇所を一括で変換できます。
この機能を使いこなせば、大量のデータ修正も効率よく進められるでしょう。
- 顧客名や商品名で検索して、関連データをすぐに見つけたい
- 列に関係なく、特定の文字列を含むデータを探したい
- テーブル内のデータのチェックや修正を効率よく行いたい
検索方法3-スライサーで視覚的に検索条件を設定する方法
スライサーは、Excelテーブルやピボットテーブルのデータを視覚的に絞り込むのに便利なツールです。
スライサーの最大の強みは、操作がとてもわかりやすい点です。
Excelにあまり慣れていない人でも、スライサーなら直感的なフィルター操作が可能です。
複数のメンバーで情報を共有する際も、操作方法の説明に多くの時間をかけずに済むので、チームでの利用に最適です。
また、スライサーの設置操作も簡単で、マウス操作だけで設定が完了するため、覚えておくと非常に役立ちます。
ただし、スライサーがおすすめな場面は、項目内のリストが少ない時だけです。
できれば10項目以内に抑えたほうが、スムーズにデータを絞り込むことができます。
ここで、リスト数の確認方法を紹介しておきます。
対象の列の最終行の下のセルを右クリックし、「ドロップダウンリストから選択」を選ぶだけです。
リスト数が多い場合はスクロールバーが短く表示されます。
このような場合は、単独でのスライサーの使用は避けてフィルター機能を活用した方がよいでしょう。
一方で、リスト数が少ないとスクロールバーが長く表示されます。
このような項目は、まさにスライサー検索に向いていると言えるでしょう。
ただじ、大項目から中項目、小項目といったような複数条件で絞り込むときは、リストが多くてもスライサーを快適に使うことができます。
- ダッシュボード形式でデータを視覚的に表示したい
- 複数の条件でフィルタリングを行いたい
- 会議やプレゼンで、簡単に条件を変えてデータを見せたい
検索方法4-条件付き書式で目立たせたいデータを強調する
Excelの条件付き書式を使うと、特定の条件に該当するセルを自動で強調表示できるため、視覚的にデータを見やすく整理できます。
大量のデータから特定の値や範囲を見つけるのにとても便利で、データ検索にも役立つ機能です。
例えば、信号機のように色で目立たせる方法や、データバーで値の大小をひと目で確認できる設定もあります。
下に掲載しているのは、データバーを活用したパターンです。
また、数式で条件を細かく設定できれば多種多様な視覚化が可能なので、自分以外の誰かに資料をみてもらうことが多い人はぜひ身に付けておきましょう。
- 締め切りが近いタスクや期限切れデータを目立たせたい
- テーブル内の異常値やエラーデータをすぐに発見したい
- 金額の大小などをデータバーで視覚的に確認したい
検索方法5-検索関数でテーブル内のデータを参照する
Excelテーブルで検索関数を使うのも有効な手段です。
代表的な検索関数として、以下の3つを覚えておくとよいでしょう。
- VLOOKUP関数
- MATCH関数とINDEX関数の組み合わせ
- XLOOKUP関数
まず、VLOOKUPは基本的な検索関数で、使い方を覚える際の重要なポイントは、指定した列番号からデータを取り出すことができる点です。
ただし、検索値が元の表の左端にないといけないことも外せない大事な点です。
次に、MATCH関数とINDEX関数の組み合わせやXLOOKUP関数は、検索値が左端になくても検索できるため、VLOOKUPよりも柔軟な設定が可能です。
特にXLOOKUPは、エラー処理も対応しているので数式がシンプルです。
下に載せた画像のように、戻り範囲の次に「見つからない場合」の表示を設定できます。
他の検索関数で同じ処理を設定したい場合はIFERROR関数が必要で、結果長い数式になってしまいます。
Excelのバージョンにもよりますが、できればXLOOKUP関数を積極的に使うことをおすすめします。
まとめると、検索関数を使うことで他のテーブルや表のデータを手軽に表示できます。
特に、広範囲のExcelテーブルから必要な情報を引き出すとき、検索関数は非常に役立ちます。
- 他の表やシートとリンクして値を参照し、情報を統合したい
- マウス操作なしで、最新データを常に反映したい
- 複数の条件を指定して、必要なデータだけを抽出したい
まとめ-状況に合った検索方法をうまく使い分けよう
Excelテーブルでデータを効率的に検索するには、様々な機能やツールを組み合わせることが重要です。
一言で「検索する」と言っても、状況により目的が変わります。
- 表全体から必要な文字を含むセルを見つける
- 条件に合う行だけを表示したい
- プレゼンや会議の場で素早く欲しいデータを見つける
- データを視覚化して異常値を見つけやすくしたい
これらの目的に応じてExcelのさまざまな検索機能を使い分けることで、効率よく必要な情報をテーブルから取り出すことが可能です。
各機能にはそれぞれ得意な場面がありますので、自分の作業に合った機能を選ぶことで作業効率が向上するでしょう。
また、こうした検索機能を使いこなすことは、単なる情報の検索だけでなく思考力や問題発見力のアップにもつながります。
日々の業務でExcelテーブルを使用している方は、ぜひ今回ご紹介した検索機能を一度試してみてください。
効率的なデータ処理を目指す中で、必要な情報を最短で見つけ出す力が身に付くはずです。