「MOS Excelの資格は役に立たないという意見をよく聞きます。実際のところどうなんでしょうか?」
ネットやSNSでMOSについて検索してみると、確かに上のような意見が散見されるようです。
もくじ
このブログを書いているぼくは、15年ほど前にMOS Excel エキスパートを取得しました。
その時の経験から本音を語ると、「MOSの資格取得はとても役に立った」と感じています。
今回は、MOS Excelが役立たないと言われる理由を挙げながら、一個人の感想にはなりますが、資格を取得して良かったと感じたことについても述べていきます。
「MOS Excelを受験しようか迷っている」と言う方には、本記事を読むことで今後の進め方の参考になるとうれしいです。
MOSは役に立たないと言われる3つの理由
巷で「MOSが役に立たない」と言われる理由は、主に以下の3つが考えられます。
- 就職活動にはあまり役に立たない
- 職場ではデータ入力の基本的な操作だけで十分
- MOSの費用対効果が薄いとされる
では、ひとつずつ細かく深堀りしていきます。
就職活動にはあまり役に立たない
資格の主な使い方は、就職活動でのアピール材料としてです。
例えば、簿記や宅建などはアピール材料として就活に活用できる代表的な資格です。
一方で、民間資格でもあるMOSは就職や転職ではあまりアピールポイントにならない、という意見もあります。
しかし、MOS Excelの資格を取得しているということは、基本的なExcel操作ができるという証明にもなります。
例えばワークマンなどのようなExcel教育に力を入れている会社では、むしろ就活でアピールするメリットは大きいと考えます。
つまり、多くの企業ではMOSを取得していることをあまり評価をしてくれないようですが、就活先がデータ分析を重視している企業であれば、MOS Excel取得をアピールしてもよいでしょう。
職場ではデータ入力の基本的な操作だけで十分
MOS Excelが役に立たない理由の一つは、職場においてはデータ入力の基本的な操作が求められるだけで十分という点です。
多くの職場では日常的な業務においてExcelを使用しますが、その範囲は初歩的な操作に限られることが一般的です。
そのため、MOSのスキルを使う機会はあまりないという意見もあります。
しかし、日々の業務をこなしていくうえで、Excelに溜めたデータの分析や、業務自体の効率アップが必要になる時もあるでしょう。
そんな時は、MOSの知識やスキルを即戦力として活用できます。
MOSの費用対効果が薄いとされる
MOSを取得するためにかかる総費用は割と高めです。
テキスト代で3000円台、試験代は10000円以上です。
高い試験費用の割に得られるものが少ないというのが、MOSは役に立たない、という人たちの言い分です。
しかしながら、MOSの取得によるスキル習得や認定資格の取得は、個人のキャリアやスキルアップにプラスの要素となります。
また、MOSを持っていることで、仕事での信頼性や専門性をアピールすることも可能です。
また、一度MOSを取得すれば、その資格は一生ものです。
将来のキャリアアップや転職の際にも、MOSの資格保持は強力な資産となるでしょう。
したがって、単純な経済的なコストだけでなく、将来のステップアップや個人の成長に対する投資として考えると、MOSを取得するための費用はそんなに高くはないと考えます。
MOS Excelを取得して得られた効果
ここからは、MOSを取得して得られた効果についてまとめていきます。
一般論ではなく、あくまでも一個人として感じたことをそのまま書いただけです。
人によってはそのまま当てはまらないこともあります。
Excelの基礎力アップ
MOS資格を取得するためには、テキストのカリキュラムに沿って学習を進めなければなりません。
学習の過程で得られるのがExcelの基礎力で、MOS資格自体を取得するよりずっと価値があることです。
例えば「VLOOKUP関数やピボットテーブルについて聞いたことはあるけど、一度も使ったことがない」という人たちが多数派を占めます。
MOSテキストのカリキュラムをこなしていけば、そのあたりのテクニックをしっかりと身につけられます。
MOSの学習を通してExcelの基礎力が身につけば、自己流でExcelを使ってきた人たちとの差別化を図れます。
MOSの取得は単なる資格取得だけでなく、実践的なスキルの獲得と自己成長にもつながることは頭の中に入れておきましょう。
実務での効率アップ
もちろんMOSのカリキュラムに含まれているもの全てが実務で使える、ということはありません。
しかし、そのまま実務に転用できるものが、学習内容の中にいくつかはあるはずです。
自分で使えそうなものを選び、ひたすら実務で繰り返せば、業務効率が自然と向上します。
Excelの機能を正しく使えれば、自己流で使っている人と比べ、少なくとも数倍の効率で実務を進められます。
以上のことから、MOS Excelの学習を進めることで、実務の効率もアップします。
次の新しいスキルへの足がかり
MOS Excelを足がかりにして新しいスキルに挑戦してもよいでしょう。
個人的におすすめなのは、マクロとAccessデータベースの開発です。
マクロを自分で組めるようになることで、他言語のプログラミングにも展開できます。
Accessデータベースを開発できることは、データベースのスキルを持つ証明にもなります。
データベースを構築できるようになれば、IT業界への転職も可能になるでしょう。
つまり、MOS Excelの資格を取得することは、Excelのスキルだけに留まらずに他のITスキルの習得にもうまくつなげられます。
この記事を書いているぼく自身は、これまでも職場で複数のAccessデータベースを開発してきましたが、その原点がMOS Excelの資格取得です。
15年前にMOSを取得していなければ、職場で情報システム部門を担当することはなかったでしょう。
さらに、学習した知識を生かし、今ここでブログを書いています。
MOSの効果的な学習方法
職場で日常的にPCを触っている方は、Fom出版のテキストで十分です。
高価な通信講座などは必要ありません。
Fom出版のテキストはよくできたカリキュラム構成なので、Excelスキルを確実に伸ばせます。
学習のコツは、内容を全て理解しようと思わずに、指示通りに手を動かすことです。
繰り返し手を動かすことで、自然と操作方法が身についてくるでしょう。
MOS Excelは、「一般」と「上級」の2種類のレベルがあります。
「一般」は、Excelを触る全ての人が身に付けておきたい内容です。
一般の試験項目にはテーブルの操作も含まれますが、Excelをより便利に使いたければ、テーブルの操作に慣れておくことが大事です。
「上級」は、VLOOKUP関数・入力規則・ピボットテーブルなど、Excelの脱初心者レベルの人が次に挑戦したい項目が含まれています。
上級の試験項目をマスターすれば、Excelの使い方もワンランクアップしますし、他のスキルにも挑戦しやすいです。
まとめ
今回は、「MOS Excelは役に立たないという意見は本当なのか」ということを深堀りしてみました。
就職や転職でMOSという資格が活躍する機会は少ないかもしれません。
しかし、PCを使った実務ではMOSの内容は確実に活きてくると思います。
さらに、MOSをきっかけにして、他のITスキルに展開することも可能です。
ただの証明としてでなく、実用的なものとしてMOSを捉えるのがいいと思うので、ぜひそんなふうに考えてください。
おそらく、あなたの周辺では、MOSと同等のExcelスキルを持っている人はほとんどいないはずです。
自己流でExcelを使っている人に比べ、体系的な学習を通してExcelスキルを身に付けたあなたは、他の人よりも優位な立ち位置にいることでしょう。
この機会に、一度MOS Excelの学習を始めてみませんか?