Excelの機能である「ピボットテーブル」という言葉を聞いたことはありますか?
「Excelにピボットテーブルは便利だということをよく聞くが、どのように使ったらいいのか分からない」
「Excelの関数も十分に使えていないのに、ピボットテーブルまでは使えないよ」
とあきらめていませんか?
ピボットテーブルは、難しい関数も必要なく、マウスの操作だけで簡単に使うことができます。
この記事を書いている私は、約12年前にExcel2003のMOSエキスパートを取得しています。
MOSを学習することでピボットテーブルの便利さを知り、それからは頻繁に使っています。
また、ピボットテーブルを使えるようになってからは、Excelのスキルが一気に伸びたことも肌身で感じることができました。Excelだけでなく、Accessの習得にも大きく役立ちました。
是非、この記事を通してピボットテーブルがとても便利でExcel初心者でも使えることを知っていただきたいと思います。
1. ピボットテーブルをマスターすべき3つの理由

ピボットテーブルが初心者でも使える理由は以下の通りです。
- マウスのみで作業が完結
- データ量が増えても手順は同じ
- 正しいデータの持ち方が分かる
マウスのみで作業が完結
ピボットテーブルでは、関数やプログラムを入力する必要は全くありません。
キーボードを全く使わずに、マウスの操作のみで作業を完了させることができます。
ピボットテーブル用ボックスの使い方だけは覚えないといけませんが、関数やプログラムを全く覚えなくても作業が成り立ちます。
データ量が増えても手順は同じ
関数やプログラムの場合は、データが増えた場合、設定がより複雑になってしまいます。
Excelの中級以上の人は、データが増えた場合の対応方法を身に付けているのであまり支障ありませんが、初心者の方にとっては高いハードルとなります。
ピボットテーブルの場合は、データの量に関わらず操作手順は同じです。
しいて言えば画面をスクロールする回数が増えるくらいです。
データが増えれば増えるほど、ピボットテーブルで集計を行う効果は高くなります。
正しいデータの持ち方が分かる
Excelを使う時に一番大事なことは、データの持ち方(表の構成)です。ピボットテーブルを操作することで、データをどのように並べたらよいか感覚的に分かるようになります。
一般に、データは「横持ちではなく縦持ちにすべきだ」と言われます。また、ピボットテーブルを説明する時によく用いられるのが「クロス集計」という言葉です。
ピボットテーブルでクロス集計を行う時に、縦持ちの元データを横持ちにすることができます。
ピボットテーブルを早めに習得すると、関数やVBAプログラミングの習得が楽になります。
2. ピボットテーブルを作る2つの手順
ピボットテーブルを作る手順はとても単純です。
- ピボットテーブルを挿入する
- 項目をマウスでドラッグする
上の2つの手順を行うだけです。
挿入する
ピボットテーブルを作るには、元になる表が必要になります。
縦持ちの表を準備しておきましょう。
テーブル形式の表を作っておくと、データを追加した時の再設定が不要です。
元データの表を選択し、挿入タブのピボットテーブルをクリックします。

ダイアログが表示されますので、そのままOKをクリックします。

新しいシートにピボットテーブルが作られました。画面の右側にボックス(フィールドリスト)が表示されています。

ピボットテーブルは元データを壊すことがありませんので、失敗を恐れる必要がありません。
参考までに、こちらに動画付きツイートを掲載しておきます。
項目をマウスでドラッグする
ピボットテーブルは挿入しただけでは使うことができません。
ボックスを操作することで集計を行うことができます。
ボックスの上半分に表の項目が掲載されています。下半分は、フィルタ・行・列・値の4つに分かれています。手順は、項目を下の所定のボックスにドラッグするだけです。

ドラッグ、何を集計したいかを作業する前にイメージしておきましょう。
ここでは、行に品名・列に店舗・値に金額をドラッグすることで、店舗と品名ごとの売上集計表が作られました。

このように、行見出しと列見出しの両方が存在する表がクロス集計表です。
ピボットテーブルは元データをクロス集計表に加工することができます。
クロス集計以外にも、行見出しに2つの項目を入れると、2段階の集計を行えます。

使わなくなった項目は、ボックスの外にドラッグするだけで消すことが出来ます。
消した項目はもう一度復活させることができます。
このように何度もやり直しが出来ますので、是非いろいろ試して頂きたいです。
動きが見えた方がイメージ付きやすいと思うので、参考までに動画付きツイートを添付しておきます。
ピボットテーブルで使われる4つの操作方法
ピボットテーブルでよく使われる操作や設定の変更は4つ挙げられます。
- 集計方法の変更
- 時間のグループ化
- 行の折りたたみや展開
- データの更新
集計方法の変更
ピボットテーブルを右クリックし、集計方法を選択します。

メニューから行いたい集計方法を選んでください。ピボットテーブルの集計でよく使われるのは、合計とデータの個数(カウント)です。この2つの集計が出来ることを知っておけば十分です。
時間のグループ化
「グループ化」を使うと、日付を月や年単位にまとめることができます。
日付を行見出しにしたピポットテーブルです。

日付データを右クリックし、「グループ化」を選びます。

グループ化のダイアログが表示されます。
表示したい単位を選んでOKをクリックします。四半期の設定もできるようです。

月単位ごとにまとまり、ピボットテーブルがスッキリしました。

行の折りたたみや展開
ピボットテーブルで2段階の集計表を作った場合は、行の折りたたみや展開ができます。
「ー」をクリックすると、行が折りたたまれます。

店舗毎の集計のみが表示されてピボットテーブルがスッキリしました。

「+」をクリックすれば展開できます。
データの更新
「更新」をクリックすることで、追記や削除したデータを反映することができます。

元の表をテーブル設定しておけば、範囲修正などのメンテナンスを行わなくて済みます。
ピボットテーブルの問題点3つ

便利なピボットテーブルですが、主に3つの問題点があります。
主なものを挙げると
- 見出しがスッキリしない
- 書式設定が更新で解除される
- 関数が使いにくい
ということになります。
見出しがスッキリしない
集計を行った場合、「合計/」や「データの個数/」などの名前で見出しが表示されます。無駄に列幅が大きくなったりします。

書式設定が更新で解除される
ピボットテーブル上の数字は、3桁カンマ区切りや小数点桁数の指定を行っても、更新を行うと設定前の初期設定に戻ります。
関数が使えない
ピボットテーブルは、項目の変更やデータの更新で大きさがすぐに変わります。
ピボットデーブルから関数でデータを引っ張っても、更新によって位置ずれが起こりますので、関数を使うのは避けた方がいいでしょう。
しかし、ピボットテーブルの迅速な集計や簡単な操作などの便利な機能は、以上の問題点を差し引いても、利用する価値ありです。
また、書式設定などの問題は、新しい機能であるメジャーで解決することが出来るようになっています。
まとめ

このようにピボットテーブルは、迅速で手軽に集計を行うことが出来ます。ピボットテーブルに難しいイメージを持つ必要はありません。
まずは、ピボットテーブルを挿入してマウスで項目を移動させてみましょう。実際に操作を行えば、とても手軽な機能であることを理解して頂けると思います。
更に、ピボットテーブルを習得することで、ExcelやAccessなどのスキル向上にもつながりますので使わない手はありません。
是非、ピボットテーブルを使えるようになりましょう。
本日も最後までありがとうございました。