本の紹介

書籍「Excelパワークエリ」を使えば3つのことを学習できます

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こんにちは。システム担当の父親、KATSUです。
Excel歴20年、Access歴10年ですが、ブログは70記事を書いた程度です。

PV数も月間4000PVに手が届きそうです。
気を抜くことなく、引き続き継続していきますので今後もよろしくお願いします。


今回は、2月19日に販売された鷹尾祥さん著「Excelパワークエリ データ収集・整形を自由自在にする本」についての書評を行います。
前作の「Excelパワーピボット 7つのステップでデータ集計・分析を『自動化』する本」を愛読していたので、勝手ながら書評を書かせて頂きました。

職場でデータ分析も兼務している私は、以前から関数やVBAを使い、データの加工を行ってきました。
前処理のデータの加工で疲弊してしまい、まともにデータ分析すら出来ない状況でした。

しかし、約1年前に思い立って前作の「Excelパワーピボット」を読み込み、手を動かして学習してきました。
パワークエリとパワーピボットを使ってみて分かったことは、データ加工が簡単に済んでしまうので、データを眺めて分析する余裕が生まれるということです。
データを眺めて思考するので、過去と今の変化をいち早く知り、職場内に発信できるようにもなりました。

このように、実際に「Excelパワーピボット」を活用して仕事に余裕が生まれた経験を持つ私が、「Excel パワークエリ」を読んで感じたことをまとめてみました。

パワークエリは、様々なデータを取り込んで加工できる、Excelに標準装備された機能です。
これからは、「パワークエリ」を使って手早くデータの加工や分析を進められるかが、周りに差をつける鍵になってくるでしょう。
本書「Excelパワークエリ」では、そんな「パワークエリ」のスゴイ機能についてしっかり解説されています。

また、Access歴10年の私が「Accessでも実現できなかったパワークエリの便利なところ」だと感じたポイントについても、今回触れていきます。

「Excelパワーピボット」「Excelパワークエリ」のどちらも2000円台で販売されていますが、本の中身を習得できれば数十倍または数百倍以上の価値がある本だと自信を持って言えます。

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「Excelパワークエリ」で学べること

「パワークエリやパワーピボットの違い」については、過去にこのブログで解説していますので、もし気になる方はこちらの記事をご覧ください。

過去記事にも書いてあるとおり、パワークエリが前工程、パワーピボットが後工程というイメージになります。

パワーピボットを活用して、多角的にデータ分析するためには、データを集計しやすいよう整形しなければなりません。

データを成型するための機能が「パワークエリ」です。
本書は、タイトルの通り前工程の「パワークエリ」に特化して更に丁寧に書かれていますが、後工程のパワーピボットついてほとんど触れられていません。

データの見える化で必要な「DAX」「ピボットテーブル」「ピボットグラフ」「KPI」を学びたい方は、本書ではなく前書の「Excelパワーピボット」を活用するとよいでしょう。

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とは言え、本書は後工程の前準備で必要な「データの加工や成型」を学ぶことができます。
「前工程だけ学んでも仕方ないのでは?」と思いませんでしたか?
実は、いくら後工程でデータを見える化できても、前工程でデータ加工がうまくできていないと、的外れなレポートになってしまいます
ですので、前工程のパワークエリは、後工程のパワーピボットで見える化を達成するためには必ず押さえておくポイントなのです。

本書でパワークエリについて3つのことを学習出来ます。

  • データの取り込み方がわかる
  • 基本(リボン)操作で使える機能がわかる
  • 詳細エディタで「かゆい所に手が届く」

では、それぞれについて詳しく解説していきます。

データの取り込み方がわかる

Excelのリボンに「取得と変換」という機能があります。

エクセルやテキストファイルだけでなく、データベースやWEB、PDFファイルからもデータを取得できます。

特に、WEBからのデータ取込は「スクレイピング」と呼ばれていて、プログラミングの中でも熟練者レベルのスキルが求められる機能です。
スクレイピングを行うためには、対象ページのHTMLタグの把握など気の遠くなるような前準備が必要です。
「パワークエリ」を使えば、WEBからの情報をプログラミング不要で一括取込できます。

また、PDFからのデータ取込も、通常は「Python」などのプログラミング言語を習得していなければできません。
「パワークエリ」を使うことで、WEBと同様にPDFの一括取込ができます。

更に、テレワークが普及し始めた今「Microsoft Teams」や「Microsoft SharePoint」を導入している企業も増えているようです。
実は、SharePointライブラリにあるExcelファイルのデータも取り込むことが出来ます。

本書「Excelパワークエリ」を使わなくても、操作画面から直観で取込操作は出来るかも知れません。
しかし、より突っ込んだ深い操作や設定について書かれていますので、取込について何かつまづいたときには問題解決の糸口になってくれるでしょう

リボン操作で使える機能がわかる

パワークエリの操作画面には、通常のExcelと同じようなリボンが設置されています。

リボンを使えば、様々な方法でデータを加工できます。
本書では、前作ではサラッと流す程度であった「リボンを使ったデータ加工」について詳しく触れています。

具体的には、

  • 表全体を分析しやすい形に整える
  • 半角全角を整える
  • 複数の表を結合する
  • 表のピボットやピボット解除

などといったことです。

データ取込と同じですが、本書を使わなくてもリボンから直観的な操作は可能でしょう。
しかし、つまずいた時の問題解決や、より深く設定できるようになるためには、本書を使うことが一番手軽な方法ですね。

詳細エディタで「かゆい所に手が届く」

また、本書では前作ではあまり触れていなかった「詳細エディタ」を意識した解説になっています。

詳細エディタを編集できるようになると、リボン操作だけでは実現出来ない「かゆいところに手が届く」ような設定が可能になります。
実際にプログラミングの知識がある方で、パワークエリエディタを使いこなしたいと言う方にも、ヒントとして使える内容にもなっているようです。
独自の「Power Query M 式言語」を意識した解説にもなっていますので、本書を読むことで公式リファレンスの理解度も高まるのではないでしょうか?

Accessでもかなわない!パワークエリのスゴイところ

ここからは、パワークエリのスゴイところを紹介していきます。

データ加工に優れたアプリであるAccessでも、ところどころに使いづらいところがあります。
パワークエリのデータ加工とAccessのクエリ操作は似ていますが、Accessでも大変な処理をパワークエリを使うことで一発で完了できることもあります。

完全外部結合

Accessではいくつかの方法でテーブルやクエリを結ぶことができます。

  • 内部結合(INNER JOIN)
  • 左側結合(LEFT JOIN)
  • 右側結合(RIGHT JOIN)

Accessでは、完全外部結合(OUTER JOIN)ができないことが大きな欠点になっています。

  • 専用のテーブルを設けてデータを追加する
  • 片側外部結合と差分を組み合わせてユニオンクエリを作る

上のどちらかの方法で完全外部結合を完成させられますが、非常に手間がかかります。

一方、パワークエリでは一発で外部結合を実現できます

ピボット解除

パワークエリでは、横持ちのデータを縦持ちに一発変換できます。
パワークエリでは、「ピボット解除」という標準機能で使うことができます。

一方、Accessの場合は、ユニオンクエリを使わないと実現できません。
ユニオンクエリは、SQLコードもとても長くなり、メンテナンスもしづらいので出来るだけ避けたい方法です。

パワークエリのピボット解除は、変換の作業が一発で完了しますので、メンテナンス性自体を考える必要がありません

表記ゆれの修正

「表記ゆれ」とは、入力手順のちょっとした違いにより、データが全く違うものとして認識されることです。
例えば、アルファベットの全角半角や、株式会社などいろいろなものがあります。
本書「Excelパワークエリ」では、「エクセル」「excel」「EXCEL」を「エクセル」に統一できることを、事例として挙げてくれています。
パワークエリでは、そんな「表記ゆれ」の修正を行うこともできます。

Accessではもちろん「表記ゆれ」を一発で解消してくれる手段はありません。

著者について

ここで、「Excel パワークエリ」を執筆された鷹尾祥さんについて触れておきます。

鷹尾さんは、元々IT企業でシステム開発に携わっていた方でした。
外資系企業の経理部門に移籍後に、パワークエリとパワーピボットを知って、本を執筆されたようです。

分析レポートを作ったことのある方はご存じだと思いますが、レポート作りの完全自動化は難しく、コピペやグラフ作りなど、莫大な手作業が発生します。

恐らく、この記事を読んでくれているあなたと同じように、「Excelパワークエリ」著者の鷹尾さんはExcelのレポート作りで苦労されてきたのかもしれません。
元々がIT企業出身だったからこそ、まだ普及していないパワークエリやパワーピボットの威力を知ることが出来たのでしょう。

(2021年2月22日追記)
昨日この記事をアップしたところ、さっそく著者の鷹尾様より、このようなリツイートをいただきました。

更に、「プログラミングに十分な時間を確保できない、営業や経理などの非IT業務の方にこそ、パワークエリを活用してほしい」とのことでした。

まとめ

パワークエリ・パワーピボットはExcelの新しい機能で、これから使いこなす人数はもっと伸びてきます。
扱えるようになれば、従来行っていた手作業による集計に比べ、数倍から数十倍の時短になります。

特に、本記事のテーマになっている「Excelパワークエリ」を使えば、様々な情報からのデータの自動取込が可能になってきます。
「Excelパワークエリ」を読み込んで実践で活用すれば、半年後のあなたは更に大きく成長できているはずです。

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